映像をCDに入れる方法

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「映像はDVDでなければならない。」
これは迷信である。短い動画ならCDに入れて閲覧することができる。事実、デジタルエイドでは51本の動画を収録したCDを作製したことがある。
特別なまじないをしたわけではない。思い込みを廃し、最新の動画圧縮技術とWeb技術を採用しただけだ。
その方法を解説する前に、まず、DVDに関する思い込みを正していくことから始める。

ウィキペディアの「DVD」の項目によると、DVDは前世紀終わりに、ハリウッド映画業界からの要請を受けて、片面133分の録画が可能になるディスクとして開発されたとなっている。

もう少し正確に言うと、このときDVD-ビデオディスクという規格が開発されたのである。この規格のDVDがレンタルビデオ店に大量に供給され、これに対応したDVDプレイヤーが出回り、人々が映画などの映像をDVDで楽しむようになったため、「映像 = DVD」という構図が焼き付いてしまった。

しかし、DVDにはDVD-ビデオディスクとは別のデータディスクという規格もある。これは、デジタルデータをDVDに保管する際、利用する。同じくCDにもデータディスクという規格がある。

図1 CDとDVDの規格

CDとDVDのディスクタイプ

データを保管するだけなので、700MB以内に圧縮した映像データなら、CDにも入れられるわけだ。
なお、すでにDVD-ビデオディスクの形式でフォーマットされたDVDには、圧縮した映像データを入れることはできない。DVD-ビデオディスクに入れられる映像フォーマットは決まっているからである。

データディスクのメリット/デメリット

データディスクにただデータを入れただけでは動かない。データディスクは単なる倉庫のようなものだからだ。しかし倉庫もちゃんと改装し、ステージを作ったり、カフェを併設すれば、人が集まり、イベントを楽しめる場になる。
データディスクもデータをすべてホームページ形式にすれば、最初にindexファイルをクリックするだけで、自在に見て回われるようになる。つまり、データディスクにホームページをまるごと入れればよい。この手法で作ると、DVD-ビデオディスクよりずっと使いやすくなる。具体的なメリットとしては次の3点がある。

  1. 関連ファイルを相互にリンクできる。
    学術CD/DVDでは、ファイル形式は多様になりがちだ。Wordなどのテキストファイルの他に、図表、画像ファイル、映像ファイルもある。しかもそれらがお互いに補完し合う内容にため、バラバラに見せるのではなく、一体のものとしてリンクして見せるようにしなければ、論述に説得力を欠いてしまう。
    従来のDVD-ビデオディスクではテキストは画像にして映像に埋め込んだりしたが、これでは1画面に収まりきれない論文には対応できない。
    その点、すべてホームページ形式なら、Wordの文書もテキストのまま、全文を掲載できる。またハイパーリンクを使えば、読者が論文中の画像を拡大表示したり、映像をスタートさせたり、また論文に戻ったりと、自由にコンテンツを読み進むことができる。
  2. 使い勝手のよいナビゲーション・システムを構築できる。
    DVD-ビデオディスクでは、トップ画面とメニュー画面を作り、メニュー画面で本編の各章(チャプター)に飛ばすように作る。本編とおまけ映像という単純な構成なら、これでもいいが、学術CD/DVDのように、分野が多岐にわたり、その分野内もそれぞれ分化するような複雑な構造の場合、いちいち元の画面に戻らなければならず、使い勝手がきわめて悪い。
    ホームページなら、クローパルナビと分野ごとのローカルナビを併設することができるので、あるコンテンツから全く別分野へ横断することが可能だ。

図2 複雑な構成の場合

複雑な構成時のナビゲーション

※コンテンツA22からコンテンツB21へいく場合、DVD-ビデオディスクではトップページまで戻られなければならないが、ホームページなら分野を横断することができる。

  1. CDを選択できれば、コストを削減できる。
    ホームページ全体のファイル容量が700MB以下なら、CDを選択することができる。何度もいうが、映像の圧縮技術が進んだため、ホームページ全体を700MB以下に収めることは、それほどむずかしくない。CDが選択できれば、プレス料金が10%~25%コスト削減になる。

一方、データディスクで作製するデメリットは次の3つ。

  1. ディスクを入れただけでは自動再生しない。
    データディスクではディスクを開き、indexファイルをクリックして閲覧を始める。
  2. パソコンに接続できないタイプのDVDプレイヤーでは正しく再生できない。
  3. 大型スクリーンでは不鮮明な映像になる。

データ・ディスクとして学術CD/DVDを作製するデメリットについては、クライアントに予め説明しているが、これまでデメリットを理由にDVD-ビデオディスクに変更した例は一例もない。学術CD/DVDの場合、デメリットはほとんど問題にならないのだろう。

まとめ

「映像はDVDに入れるもの」という常識はもはや古い。映像を圧縮フォーマットにし、コンテンツをすべてホームページにまとめて、まるごとディスクに入れてしまえばよい。多様で複雑なコンテンツでも、わかりやすいナビゲーションで、使いやすい学術CD/DVDになる。もし、CDに収まるのならば、コスト削減にもなる。

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